登録 ログイン

鹿児島県医師会では医療機関の診察に関することのほか接遇、設備、治療費に関することなどいろんな要望、意見に関する窓口を設置しています。

相談日: 毎週月曜〜金曜日
  10:00〜17:00
TEL: 099-285-4114

SOS救急処置法
     
【救急車の呼び方】 【ケガ人・病人の運び方】 【心臓マッサージ (蘇生法)】
【救急車が到着したら】 【出血多量の手当】 【目に異物がはいったときの応急手当】
【交通事故のとき】 【薬の正しい使い方】 【のどに異物がはいったときの応急手当】
【人工呼吸の方法】 【薬の正しい保管法】 【鼻に異物がはいったときの応急手当】
【鼻血が出たとき】 【虫などにさされたとき】 【耳に異物がはいったときの応急手当】
【子どもの病気】 【やけどをしたとき】 【ねんざ・脱臼など】
【失神したとき】    

【薬の正しい使い方】
正しい飲み方
薬は用法、用量、服用時間を守ることが一番大切です。同じような病気と思っても、他人の薬をもらって飲むことはやめてください。また、早く治そうと思って一度に多く飲むことは、効果よりも副作用の心配があります。
・錠剤・カプセル
ふつうかまないで、そのまま水で飲みこみます。ただし薬によって「かみくだいて」との説明もありますので、指示用法にしたがってください。3才以下では、この型の薬は危険ですので飲ませないでください。
・トローチ剤
ゆっくりなめて下さい。唾液にとけて直接口中やのどの粘膜に作用します。 ・舌下剤 ほほと歯ぐきの間や、舌の下にはさんでゆっくりとかして、粘膜から吸収させるもので、食事と食事の間の時間をえらんでください。
・水剤
ビンに直接口をつけて飲みますと、薬が唾液でよごれたり変質します。定められた量を別の容器にうつして飲みましょう。
 
【薬の正しい保管法】
乳幼児・小児の手のとどかないところに保管して下さい。こどもが薬を誤って飲まないように注意しましょう。
(1)湿気、日光、高温を避けて保管すること 薬は湿気や光や熱によって影響を受けやすい。ビンやカンに防湿剤を入れ、フタやセンを固くしめて、日かげの、涼しく乾燥した場所に保管する。漢方薬は紙袋に入れて、風とおしのよい場所におく。
(2)他の容器に入れかえないようにすること。薬を他の容器に入れかえると、内容や使いかたがわからなくなり、誤用や事故のもとになる。
(3)古い薬は使わないこと 薬は、温度、湿度、光線などで変質しやすく、古くなると効かないばかりか、かえって害になることがある。有効期限のきれたものは捨ててしまうこと。
【子どもの病気】
・熱のあるときの手当
(1)熱は体温計によってはかること。ひたいに手をあてての感じだけではいけない。
(2)静かに寝かせておくが、ふとんはあまり厚くかけないようにする。水まくらや氷まくらをしてもよいが、いやがる場合には無理にさせないこと。
(3)湯ざまし、スープ、果汁など水分をあたえる。食事は消化のよい滋養食をあたえる。
・下痢をするときの手当
(1)消化不良とみられる場合は、胃腸の負担を軽くするため食物をあたえず、湯ざましや番茶などの水分だけをあたえる。
(2)食事をあたえなかったり食事の量を減らしたときは体力がおとろえているので、あまり動きまわらないようにさせ、できたら安静に寝かせておく。
・吐くときの手当
(1)静かに寝かせて様子をみますが、あまり苦しがったり、発熱がひどいときはすぐに診察を受けるようにする。
(2)場合によっては腸重積症や腹膜炎など、一刻をあらそう重い病気の心配もあるので、医師への連絡がすぐできるように準備しておく。
・発疹のあるときの手当
(1)伝染の心配があるので、それが伝染性のものであるかどうか、医師に診てもらうこと。
(2)熱のある発疹は伝染するものが多く、また合併症(気管支炎、肺炎など)を併発することがあるので、しろうと療法はさける。
(3)かゆみのあるときは、子どもがツメでかきこわして細菌がはいったり、ほかの部分にうつるのを防ぐため、ツメを切ってやる。
・ひきつけたときの手当
(1)大声で名前をよんだりゆすったりしないで、すぐふとんに寝かせ、衣服をゆるめて手足を湯たんぽで温める。熱があるときには、ぬれタオルで頭を冷やす。なによりも安静が大切。
(2)舌をかみそうな場合には、上下の歯のあいだにガーゼか布をまいたハシなどをはさむ。
(3)意識がもとにもどるまで、絶対に水や薬を飲ませてはならない。
【失神したとき】
一時的な意識消失をいいます。軽い場合には頭がすっとする感じで、手足のしびれ、あくび、吐き気などですむこともあります。しかし、さらに容体がすすむと、顔は蒼白になり、冷や汗がにじみ出し、皮膚は冷たくなり、呼吸はゆっくりとなり脈も数が減ってきます。 ・応急手当としては 失神の原因がなにかによって、多少手当の方法はちがってきますが、つぎのようなことは共通事項として心得ておきましょう。
(1)失神は脳を流れる血液が少なくなるためにおこるのだから、患者を寝かせて、なるべく足を高くし、頭を低くして脳の血流をよくしてやる。 上衣やシャツのボタンをはずして、からだを楽にしてやる。
(2)毛布など暖かいものをかけて保温に注意する。
(3)舌根が沈んでのどをふさぐことがあるので、呼吸の状態には気を配る。
【鼻血が出たとき】
顔を洗ったり鼻をかんだときに、鼻血が出ておどろくことがあります。最近、空気の汚れがひどい都会などにこのような鼻血がふえています。 鼻出血のほとんどは、鼻中隔の前端の粘膜が破れて出血するもの。この鼻中隔は、ちょうど鼻が顔からつきだした部分、つまり鼻腔を左右に分ける中央のしきりの前にあり、もっとも刺激を受けやすい部分です。 とくに、指を鼻に入れるとすぐ触れるところは、細かい血管が集中しており、きずつきやすく炎症の起こりやすい場所です。 では、どういう場合に出血が起きるのでしょうか。鼻を強く打ったとかなぐられたような場合を除いては、鼻いじりが原因というのがもっとも多いようです。鼻をほじったり、鼻をかむときに強くおさえつけたり動かしたりすると、鼻中隔の刺激の受けやすい部分にキズがついて炎症を起こします。 その炎症がカサブタになって、顔を洗うときや鼻を強くかんだりするとそれが落ちて、びっくりするほど鼻血が出るわけです。
・応急手当としては 鼻血が出た場合には、鼻の入り口に清潔な綿をつめて、鼻翼をおさえ、冷しながら頭を高くして休めば大ていとまるものですが、もしとまらないようでしたら、できるだけ早く専門医へ。 それまでの応急手当として、つぎのような方法をとるようにします。
(1)安静にし、周囲の人も騒いだり、興奮したりしない。
(2)鼻血がのどのほうへまわった場合、それを飲むと吐くので、口にたまったら吐き出させる。できれば、つばもたまらないように吐き出させる。
(3)綿は、やや多めにつめ込み、血でいっぱいになったらとりかえる。無理にとめようとして、やたらに綿をつめ込むのは、かえって刺激して悪化させる。
(4)鼻をかむのもよくないので避ける。
【目に異物がはいったときの応急手当】
(1)むやみにまぶたをこすってはいけない。目薬をさすか、しばらく目をとじていれば涙が出て洗い流されることが多い。
(2)それでもとれないときには他人にみてもらう。上まぶたをひっくり返し、下まぶたを下方へ押し下げ、脱脂綿やガーゼの先を細くしたものをぬらして静かにぬぐいとる。
(3)ガラスや金属片などが入ったときには、いじらないで眼科医へ行くこと。 鉄片や鉄粉はサビで障害を起こすことがある。
(4)目に酸やアルカリなどの薬液が入った場合には、すぐに十分洗眼し、洗眼をすませてから、すぐに眼科医の手当を受ける。すぐに十分に洗眼すれば、相当に強い酸やアルカリの場合でも、大事にいたらないですむことがある。
【のどに異物がはいったときの応急手当】
(1)セキを何回もしてとれる場合もある。
(2)魚の小骨がのどにつかえたときは、米飯などを噛まずに丸のみすればとれることもあるが、深く刺さっているときには、うがいをしたあと様子をみて専門医をたずねる。
(3)硬貨や碁石などがつまって、それが外からみえるときは、上体を逆さにして背中を平手でたたく。出なければ急いで病院へ行く。 異の中に飲み込んでしまったものは危険が少ないので、あわてず病院へ行くこと。
(4)事故がもっとも多く、また危険なのがピーナツ。子どもが遊びながら食べていて、ころんだり、背中をたたかれた拍子に、気道にはいってしまったというケースがほとんど。ピーナツは、その形からして気管を閉鎖しやすく、その場合、短時間で窒息死する。くだけたピーナツは、さらに奥にはいり、狭い気管のどこかをふさぐ。激しいセキをし、呼吸困難におちいるのがその症状。ピーナツは食物であるからといって油断せず、ただちに耳鼻咽喉科に運ぶ。
【鼻に異物がはいったときの応急手当】
食用油を数滴、鼻の中に入れて静かに気をつけて鼻をかむとよい。ピンセットでつまみ出すのは、奥へ押しこむ結果となるので危険。
 
【耳に異物がはいったときの応急手当】
(1)水が入ったときは、その耳を下側にして耳をまげ、片足で2〜3回とべば流れ出す。
(2)小さい昆虫類が侵入したときは、耳を明るい光線(電球や懐中電灯)に近づけると自然にはい出す。
【虫などにさされたとき】
ハチ、毒ガ、クモ、ムカデ、クラゲなどに刺されたときは、傷口に残っている針やトゲなどを取り去り、水で洗い流したあとアンモニア水や抗ヒスタミン軟膏をぬります。どんな虫に刺されたかわからないときや虫にくり返し刺されたときは、家の周囲を徹底的に掃除し、虫の駆除をつとめましょう。
・一般的な応急手当 すぐに水で洗うかアンモニア水をぬっておくこと。時間がたってからではあまり効果がない。はれあがってしまったら冷水で冷やすと多少やわらぐこともある。
 
【やけどをしたとき】
やけどに対する手当のしかたは、その程度によって異なるのでむずかしく、ごく軽い場合を除いて、しろうと療法はさけ、医師の手当を受けたほうがよいでしょう。 ・一般的な応急手当としては
(1)すぐ水道の流水か、氷水で冷やす。冷しながら、ときどき痛みやはれぐあいをみる。たとえ水泡が出ても絶対破らないようにする。
(2)やけどの箇所にはやたらに薬品をぬらないこと。 やけどにはチンク油をぬってはいけない。
(3)手当のポイントは“絶対に化膿させないこと”を頭に入れて消毒ガーゼをあて包帯する。
(4)小さいやけどで、赤くなっただけのものは家庭治療が可能であるが、それ以上のものは医師の治療が必要。
【ねんざ・脱臼など】
骨には異常はないが、関節の周囲の柔らかい組織がきずついた状態です。はれ、いたみなどの症状が足、手、膝の関節に多く起こります。
・ねんざの応急手当としては
(1)安静第一にして、その関節は動かさないようにする。
(2)冷湿布するか氷のうを当てるとはれがひく。
(3)局部を高く上げてはれを少なくする。足の場合ならば、枕などの上に置く。
(4)軽いねんざだけのときは、ばんそうこうなどで当分の間固定しておく。
(5)突き指の場合も冷湿布したうえで、早く医師の診断をうけること。
・脱臼の応急手当は
高いところから落ちたり、転んだり、手足を強くねじったりすると関節がはずれた状態になります。脱臼をもとどおりに整復するのは、しろうとには無理ですし、治療を完全にしないと習慣性になることがありますから、必ず専門医の診察を受けること。患部をできるだけ楽にして、厚めのガーゼや木綿を冷水にひたして冷やします。ときには患部を動かさないために副木を使うことも必要です。
・突き指の応急手当としては
突き指というのは手足の指の損傷で、これには腱の断裂、ねんざ、脱臼、骨折をともなうことが多く、外力の作用のしかたや、場所によって治療法もそれぞれ異なりますから、軽く指の長軸にそって引っ張ってみたあとで冷湿布をし、医師の治療を受けます。
・肉ばなれの応急手当としては
不意に激しい運動をしたため、筋肉や腱が伸びすぎたり、一部分ちぎれたりした場合と不自然な運動や姿勢を長くつづけたために、筋肉が過労におちいった場合とがあります。はじめ痛みの激しいときは冷湿布で、一両日後より温湿布をしますが、この時期がなかなかむずかしいので、医師の診察を受けるようにしましょう。