鹿児島県医師会では医療機関の診察に関することのほか接遇、設備、治療費に関することなどいろんな要望、意見に関する窓口を設置しています。

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SOS救急処置法
     
【救急車の呼び方】 【人工呼吸の方法】 【心臓マッサージ (蘇生法)】
【救急車が到着したら】 【ケガ人・病人の運び方】 【耳に異物がはいったときの応急手当】
【交通事故のとき】 【薬の正しい使い方】 【薬の正しい保管法】
【子どもの病気】 【虫などにさされたとき】 【目に異物がはいったときの応急手当】
【失神したとき】 【やけどをしたとき】 【のどに異物がはいったときの応急手当】
【鼻血が出たとき】 【ねんざ・脱臼など】 【鼻に異物がはいったときの応急手当】
【出血多量の手当】    

応急手当の基礎知識
【救急車の呼び方】
早く救急車に来てもらうための通報ポイントと、救急隊員への報告。
119番通報するときは
(1)電話がつながると、「火事ですか、救急ですか?」と応答があるので、落ちついて、はっきりと救急車が必要であることを告げます。
(2)つぎに、来てほしい場所を正しく告げます。 例えば、○○市○○区○○町○丁目○番地○号の△△宅です。また、来てほしい場所の近辺に、だれでもわかるような目標物があれば、それを知らせます。なお、団地やマンション、アパート、ビルなどのときは号棟、階数、号室、もっとも近い入口を、交通事故のときは、道路名、交差点名などを告げます。
(3)事故や病気の内容を告げます。 いつ、だれが、どこで、どのようにして、どうなったか。
(4)わかれば、病人やけが人の人数も告げます。
(5)通報した本人の氏名と電話番号も伝えます。
(6)以上を伝え終わったら、目標物や目立つところまで出て、救急車が来たときに案内しましょう。
 
【救急車が到着したら】
救急隊員に、次のことを報告します。
家族の場合…
・救急車が到着するまでの患者の容体の変化、行った手当の内容。
・持病があれば、その病名と、治療を受けている医療機関名、主治医名。
・どこの医療機関へ運ぶのかを聞き、必ずだれかが同乗するようにします。
・健康保険証を必ず持ち、できれば簡単な着替えなども持参します。
通りがかりの人の場合…
・発見したときの様子とその後の容体の変化、手当の内容、手当を始めてからの時間、できれば手当に当たった人の名前、住所を救急隊員に報告。
【交通事故のとき】
事故の当事者や現場に居合わせた人のすばやい対応や手当が大切です。
(1)意識があるとき 急に動かすとショック症状を起こすことがあります。頭の皮が裂けていると、むごたらしいほど出血し、たいへんな大ケガかと思いますが、この出血だけで死ぬことはまれと考えてよいでしょう。傷口のまわりを、骨に向かって手指や手のひらで強く圧迫すると血は止まります。あとはきれいな布をあてておきます。
(2)意識を失っているとき たとえ頭皮に傷が見あたらなくても、頭を強く打ったと考えなければなりません。 脳しんとうだけで、じきに意識が回復して、なにも症状を残さない場合と、脳自体にはげしいきずができていて、長時間意識を失ったままの場合とがあります。これらはケガの直後では区別しにくいものです。どちらにしろ安全な場所に移したら、意識のないときは気道を確保し、口の中の血や吐いた物などを除いてきれいにします。衣服をゆるやかにして、からだを水平にして寝かせてやることがたいせつです。ショック状態のときは、頭を低くして、体を保温します。
(3)倒れているとき あわてて動かしたり、いじったりするのは危険です。肋骨が折れて心臓に突き刺さろうとしているようなときもあり、あるいは心臓に小さな穴があいているような場合もあるのです。こんなとき、へたに動かしたりすると生命を落とします。また、頭の中まで何かが突き刺さったりしていることがありますが、やたらに抜くことは禁物です。抜いたとたんに、手に負えない大出血を起こすことがあるからです。
(4)ケガ人を運ぶとき 交通事故のケガ人を運ぶとに、注意しなければならないことがあります。それは嘔吐です。吐いたものが、まちがって気管に入り、窒息死することがあるからです。吐きそうな様子ならば、からだと頭を横に向けて、吐いたものが外に出やすいようにしてやります。
(5)まず現場の安全を確保 事故現場の安全をまず確保するようにします。自動車のエンジンが動いてとるようなら、すぐに止め、発火しているときはただちに消火器や砂などをかけて消します。ガソリンが流れ出ているようなとき、タバコの火などは危険です。電柱などに衝突し、送電線がきれてたれているようなときは棒などで除き安全をはかります。
【人工呼吸の方法】
人は呼吸が止まってしまうと、6〜7分以内には死んでしまいます。そのため一刻をあらそって人工呼吸をしなければなりません。人工呼吸というのは、人工的に肺に空気を出入させて、呼吸を回復させ、蘇生をはかる方法です。
人工呼吸の手順
(1)気道を確保したまま、額をおさえている手の親指と人差し指で、傷病者の鼻をつまみます。
(2)自分の口を大きく開けて、傷病者の口のまわりにかぶせ、傷病者の胸が軽く膨らむまで息を吹き込みます。
(3)口を放して自然に呼吸をさせます。自分の頬、耳を傷病者の口に近づけて呼気を確かめ、胸の動きを見て、効果的に行われていることをたしかめます。 最初は静かに大きく連続して2回吹き込みます。そのあとは、大人の場合5秒に1回のリズムで繰り返します。呼吸を回復するか、医療関係者へ引き継ぐまで根気よく続けます。 乳幼児に行うときの注意 乳幼児の首はやわらかいので、無理に頭を後方にそらせると、かえって空気の流れを妨げたり、首を痛めることもあるので注意が必要です。片手で頭部を支え、他方の手であごを軽く前へ押し出したり、下あごを両手で前方に押し出して気道を確保します。乳児の場合は、救助者の口で、乳児の口と鼻を同時に覆います。胸のふくらみに注意して、3秒に1回くらいの割合で、軽くフッと吹き込みます。
【心臓マッサージ(蘇生法)】
蘇生法とは、突然呼吸が停止したり、心臓がとまったときに、適切な処置をほどこして助ける方法です。 最初の蘇生法が早く的確に行われたかどうかが、その後の治療に大きな影響を及ぼすことになります。
気道の確保→人工呼吸→心臓マッサージ の順で行うのが蘇生法のコツです。
・脈拍の有無を調べる 頸動脈(首の左右にある太い動脈)に触れて、脈があれば人工呼吸を続け、脈がなければ人工呼吸に加えて、心臓マッサージを行います。乳児では脈拍は上腕動脈(上腕の中央内側)または大腿動脈(股の付け根)に触れてみます。
・心臓マッサージの手順 胸骨上の圧迫点を垂直に3〜5cm(乳児の場合は1〜2cm、幼児の場合は2〜3cm)、1分間に80〜100回のリズムで押し下げます。人工呼吸2回と心臓マッサージ15回を組み合わせ、これを繰り返します。 乳幼児の場合は、1回吹き込んだら、5回押す動作を繰り返します。
【ケガ人・病人の運び方】
患者を運ぶことは、注意ぶかく正しく行わなければなりません。らんぼうな扱い方をしたりすると、助かる命も助からない運命になってしまいます。
(1)まず、まえもって必要な応急手当をほどこす。衣服がきついときにはゆるめ、顔が赤かったり、からだが熱くないかぎり、運搬中は毛布をかけるようにする。
(2)なるべくなら救急車のくるのを待ち、医師の指示に従って患者を動かす。
(3)運搬方法としては、担架で運ぶのがもっともよく、ちゃんとしたものを使うのが理想的だが、即席のものとしては2本の棒と毛布、シーツなどがあればまにあわせることもできる。もし適当な棒がなければ、毛布の中央に患者をのせて、この両縁を巻きこんで、そこを6人くらいでつかんで患者を運ぶのもよい。
(4)担架の運びかたは、患者の足のほうを前にして進むのが原則だが、坂道や階段などをのぼっていくときは、頭を先にし、頭が下がらないようにする。ただし、足の骨折のときは、これと反対にする。適当な担架のないとき丈夫なイスでもよい。
【出血多量の手当】
出血の多い傷には正しい止血をしなければなりません。指先の軽いけがなのに輪ゴムをきつく巻いたりするのは百害あって一利なしです。少ない出血のときはあまり心配いりませんが、大量の出血は生命にかかわります。 人間の血液量は、体重1kgについて約80mlあるといわれていますから、体重60kgの人で約4800mlの血液があると考えられます。そして、全血液量の1/3(約1600ml)以上を一度に失うと生命が危険になります。
・効果的に止血するには
(1)直接圧迫止血法:傷口に清潔なガーゼや布を当てて圧迫します。手でしっかり抑えたり、包帯を少しきつめに巻きます。手足の傷のときは、患部を高くあげて動かさないようにします。多くの場合はこの方法で止まります。
(2)間接圧迫止血法(直接圧迫止血法と併用):直接圧迫で止まらない場合は、直接圧迫をしたまま、心臓に近い止血点(血管を押さえ血を止めることのできるところが体の数箇所にあります。)を指や手で圧迫して出血を止めます。
(3)止血帯は、出血したところより心臓に近いところをしばって止血する方法です。この方法は、四肢を切断したときなど他の方法で止血することができない場合に最後の手段として用いられる方法です。

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